なぜ水に賞味期限表示があるのか?
水の賞味期限は、「美味しく飲める期間」の保証というより、通気性のあるペットボトルから水が蒸発して内容量が変わってしまうために設けられた期限です。
水は腐らない
ペットボトル入りのお水は、基本的に未開封の状態で高温多湿の場所を避けて保管していれば、何年でも持ちます。
なぜならば、ペットボトルの水は濾過や加熱の工程を経ることにより、雑菌を取り除いているからです。
雑菌のない水が腐敗することは、外部から異物が侵入しない限りありません。
そのため、未開封で保存されていたペットボトルの水ならば、基本的に何年も持ちます。
水に賞味期限表記がある理由
水の賞味期限は、印字された内容量が確保できる期限です。
ペットボトルの水が「何年たっても腐らない」なら、いっそ賞味期限を「無期限」にしてはどうか。
「いや、水の賞味期限は、表示された容量が確保できる期限です」
こう話すのは日本ミネラルウォーター協会の渡辺健介事務局長だ。
食品は、食品事業者が科学的・合理的な根拠に基づいて賞味期限を設定している。
一方、計量法の規定に基づいて内容量を表示する決まりもある。
ペットボトルの容器は、通気性がある。すると、水が少しずつ蒸発する。つまり、時間の経過とともに減るのだが、表示と実際の容量が許容の誤差を超えた商品を「販売する」と計量法違反になる。ペットボトルの水の賞味期限は、もっぱら表示と実際の容量の誤差が許容範囲内にある期間、すなわち計量法違反にならない限度を示しているのだ。
なお、その水を「譲渡する」のは計量法に反しないし、飲むのも問題ない。備蓄しておいた水が減っても、計量法とは無関係だ。
渡辺事務局長は「東日本大震災以降、水の備蓄が増えたが、その分廃棄も増えている」と指摘する。
「ペットボトルの水は手洗いや食器洗いにも使える。安全でも期限切れの水を飲むのは嫌だという気持ちが働くなら、廃棄するのではなく別の用途で使うといいでしょう」
出典:2018年7月3日付 産経新聞 賞味期限を過ぎたペットボトルの水は飲めるか、飲めないか?
それでもやっぱり賞味期限が気になる方へ
もし賞味期限が過ぎてしまい、口にするのがためらわれる場合には、飲料水以外の方法で使用しましょう。
破棄するのはもったいないです。
- お風呂に使う
- 洗濯に使う
- 植物の水やりに使う
- 掃除の際の水拭きに使う
水を保存する際のポイント
温度の影響が少なく、湿度の低い場所を選びましょう。
また、におい移りしない環境での備蓄がおすすめです。
(※僅かながらペットボトルは気体を通してしまう性質があります)