帰宅命令

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昨晩も4年ぶりの首都圏大雪で「帰宅命令」キーワードがTwitterのトレンドに上がりました。

大雪警報が発表されたものの、ほとんど帰宅命令が出されなかったり、交通機関の麻痺で帰宅難民が続出したとのニュースも流れました。

本投稿では、帰宅命令について書いてみます。

帰宅命令とは

帰宅命令とは、地震などの災害発生時や、台風接近・大雪などの状況下で、まもなく帰宅困難になることを見越して企業側が従業員を帰宅させることを言います。

帰宅命令が出た場合、帰らなくてはなりません。

帰宅命令に従わない場合、就業規則などによって懲戒処分の対象となることもあります。

帰宅命令は業務命令の一種

帰宅命令は業務命令の一種です。

業務命令とは、使用者である経営者が、従業員に対して発する業務上の命令のことです。

業務命令は、労働契約、法令、労働協約、就業規則、労使慣行の範囲内でのみ有効です。

業務命令が、命令として強制力をもつ根拠

労働契約によって「従業員が使用者の指揮命令に従って働くことに合意した」という点に、業務命令が強制力を持つ根拠があります。

業務命令に従わない場合、契約違反・責務不履行の責任を負うことになり、就業規則などによって懲戒処分の対象とされます。

帰宅命令が出た場合の賃金

帰宅命令が出た場合にお給料はどうなるか?です。

この点、労働基準法では会社の都合で休業する場合、休業手当として平均賃金の6割以上を支払うことを義務づけています。

丸一日休業の場合でなくても、1日の賃金が平均賃金の6割を超えないと考えられる場合は、働いた分の賃金と6割に達する分のその差額を支払う必要があります。

被災によって業務を継続することが困難な場合

天変地変によって業務を継続することが困難な場合の休業は「会社都合」とはなりません

例えば大きな地震で被災して営業が困難になった場合はもちろん支払い義務はありません。

被害が出る前に帰宅を指示・命令する場合

台風や大雪のように天気予報であらかじめ被害が予想される場合に帰宅を指示・命令する場合、その時点ではまだ会社や労働者に何の被害もない状態です。何の被害もないので業務を継続することができます

つまり、予防的な「帰宅命令」の場合、会社には休業手当の支払い義務はあると言えます。

その一方で、命令ではなく「労働者に帰宅の判断を任せるような会社の指示」であれば、帰宅するかどうかは労働者の判断によります。その場合、労働者がその指示により帰ったとしても、休業手当の支払い義務はないと考えられます。

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